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【騒音トラブル】何デシベルで訴えることが可能?具体的な基準と対処法

【騒音トラブル】何デシベルで訴えることが可能?具体的な基準と対処法

 

日常生活で、私たちの周りにはさまざまな種類の騒音が存在します。工事現場からの騒音や自動車の音、近隣の生活音まで、騒音トラブルは人々の生活に大きな影響を与えます。


特に、騒音がストレスや健康被害を引き起こすことが指摘される中、問題は深刻です。環境省が行った調査によると、平成28年度の騒音に関する苦情件数は16,264件にのぼり、その内訳は建設作業による騒音が最も多く、全体の33.6%を占めています。次いで、工場・事業場が28.0%、営業や家庭生活による騒音も続きます。こうしたデータは、私たちの生活環境における騒音問題が多岐にわたることを示しています。

環境省 苦情件数の割合

 

さらに、生活騒音の発生源として特に問題視されているのが、電気機器(23%)アイドリングや空ぶかし(22%)、そして人の声や足音(13%)などです。これらの生活音は、近隣住民との関係を悪化させる要因ともなり、トラブルに発展しやすい傾向があります。ペットによる騒音や楽器の音もそれぞれ一定の割合を占め、日常生活の中で無意識に発生する騒音が深刻な問題として捉えられているのが現状です。

環境省 生活騒音の発生源内訳

 

しかし、どの程度の騒音レベルが一般的に問題とされるか、また訴えることができるのかを知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、騒音トラブルにおけるデシベル(dB)の基礎知識や、具体的な数値基準、騒音が発生した際の対処法について解説します。

 

この記事で解決できる悩み

  • どの程度の騒音が訴える基準になるのか知りたい
  • デシベル(dB)の意味と具体的な基準を理解したい
  • 騒音トラブルを解決するための手段を知りたい
  • 騒音を軽減するための対策グッズについて調べたい
  • 騒音トラブルの判例を参考にしたい

 

 

この記事を書いた人

現役大手不動産管理会社勤務(元は不動産仲介)

宅地建物取引士・FP2級

ブログ「みやへい不動産」累計150万PV

みやへい
不動産業界12年、3児の父です。

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騒音トラブルでよく耳にするデシベル(dB)とは?

騒音トラブル デシベル

 

騒音トラブルに関する議論の中で、「デシベル(dB)」という言葉がよく登場しますが、この単位が何を意味しているのか、日常生活でどのように関わってくるのかを知っている人は少ないかもしれません。

デシベルは、音の大きさを示す単位であり、音の強さを客観的に数値化するために使われます。これにより、騒音がどれほど不快で、場合によっては健康に悪影響を及ぼすかを把握するのに役立ちます。

デシベルは、音の強度を対数スケールで表しているため、私たちが普段感じる音の「増減」を正確に表現できます。デシベルは通常、人間の耳がかろうじて感知できる音を0dBとし、そこからどれくらい強い音かを示しています。

たとえば、10dB増加すると音のエネルギーは10倍になるため、音量が劇的に大きく感じられます。具体的には、30dBのホテルの室内から40dBの住宅地の日常的な騒音が発生している場所に移動した場合、音のエネルギーは10倍になります。

こうした特性を知ることは、騒音問題を正しく理解するために重要です。



以下は騒音の目安をわかりやすくまとめたものです。

騒音の目安(全国環境研協議会 騒音調査小委員会)

参照:全国環境研協議会 騒音調査小委員会

 

このように、私たちの日常生活の中には、さまざまな音があり、それぞれのデシベル値が異なります。

 

騒音は何デシベルで訴えるレベル?許容される数値基準

騒音 数値基準

 

騒音トラブルにおいて、訴える基準となるデシベル値は地域や時間帯によって異なります。以下で詳しくみていきましょう。

 

騒音の基準値は地域によって異なる

騒音の基準値は一律ではなく、地域によって異なります。これは、地域ごとに生活環境や許容される騒音のレベルが異なるためです。

たとえば、商業地や工業地帯のように日常的に大きな音が発生するエリアでは、許容される騒音のデシベル値が高く設定されています。一方で、住宅地や静かな田園地域などでは、より低いデシベルの騒音でも生活に支障をきたす可能性が高いため、厳しい基準が適用されます。

具体的には、都市部の商業地では50dB~60dBの騒音が日常的に許容されることが多いですが、郊外や静かな住宅地では50dB以下の音でも問題視されることがあります。

また、地域によっては、独自に条例を制定して騒音の上限値を厳しく設定している場合もあります。たとえば、観光地や自然保護区域などでは、住民や観光客の快適な環境を守るために、厳しい騒音規制が設けられることが一般的です。

さらに、地域による基準値の違いは、騒音の発生源にも関連します。都市部では交通騒音や工事の音が問題になることが多い一方で、郊外では近隣住民の生活音や農作業の音がトラブルの原因となることが多いです。そのため、地域ごとの騒音トラブルの種類に応じて、騒音の基準値が設定されることが重要となっています。

 

環境省が公表している基準値

騒音に関する具体的な基準値は環境省が定めています。これらの基準値は、国民の健康や快適な生活環境を守るために設定されたもので、騒音レベルがどの程度まで許容されるかを明確に示しています。

環境省の定める騒音に関する環境基準は、特に「昼間」と「夜間」で基準が異なるのが特徴です。

まず、昼間(6:00~22:00)の基準値としては、住宅地では50~60dB以下が目安とされています。これは、普通の会話や日常的な生活音がこの範囲に収まることを前提としています。昼間はある程度の活動音が許容されるため、60dB程度の騒音が問題視されることは少ないですが、それ以上になると周囲の生活に支障をきたす可能性があります。

次に、夜間(22:00~6:00)の基準値は40~50dBと、昼間に比べて厳しく設定されています。夜間は睡眠を含む静かな環境が必要とされるため、40dBを超える騒音は不快に感じられやすく、50dBを超えると睡眠の妨げとなるケースも多く報告されています。このため、夜間は静けさを求められる時間帯として、基準が厳しくなっているのです。

以下は環境省の参考資料です。

環境省 騒音の基準値

参照:環境省

 

上記に拘らず、幹線道路沿いなどの比較的騒音が発生しやすいエリアについては、騒音の基準値が緩和されるところもあります。

詳細は環境省のホームページをご参照ください。

 

環境省の基準値は、日本全国で共通の指標として使用されますが、地域や個別の事情に応じて、自治体がさらに厳しい規制を設定することもあります。

 

騒音トラブルの判例

騒音トラブル 判例

 

騒音トラブルに関する裁判事例をいくつか紹介します。これらのケースは、どのような状況で騒音が法的問題となったかを知るうえで参考になります。

 

1. マンションの階下住人による迷惑行為と騒音問題

判決日平成29年12月1日(東京地裁判決)
このケースでは、マンションの階下住人による粗暴な行動や騒音が問題となりました。具体的には、階下の住人がドアを蹴り、大音量で音楽を再生するなどの行為を頻繁に繰り返し、上階住人が精神的苦痛を受けたとして訴訟を提起しました。裁判所は、これらの行為が「社会的相当性を逸脱した」と認定し、上階住人に対する不法行為を認めました。結果として、慰謝料や引越し費用など、合計407万円の損害賠償が認められました​。

 

2. 幼児の騒音による損害賠償請求

判決日平成19年10月3日(東京地裁判決)
この事例では、マンションの上階に住む幼児が室内で走り回り、直下の住人に対して50~65dBの騒音が毎日のように発生していました。騒音は特に夜間や深夜に及び、下階の住人が精神的に大きな苦痛を受けたため、損害賠償を求めて提訴。裁判所は、幼児の親に対して「誠意のある対応が欠けている」とし、慰謝料として30万円、弁護士費用として6万円の合計36万円が認められました​。

 

3. 大規模修繕工事による騒音と賃料不払い問題

判決日平成29年7月20日(東京地裁判決)
このケースでは、マンションの大規模修繕工事による騒音が問題となり、入居者が賃料の支払いを拒否した事例です。賃借人は、修繕工事に関する事前の説明がなかったとして賃料支払いを拒んだため、貸主が訴訟を提起しました。裁判所は、賃貸契約は有効であり、工事の騒音による損害賠償請求は認められないと判断し、賃借人に賃料の支払いを命じました。

 

騒音を測定する方法

騒音 測定

 

騒音トラブルを解決するためには、まずは騒音レベルを正確に把握することが重要です。以下の方法で騒音を測定できます。

 

自分で測定器を購入して測定する

市販されている騒音計を購入することで、自宅や周辺の騒音レベルを簡単に測定できます。最近ではスマートフォンのアプリでも騒音を測定できるものがありますが、正確さを求める場合は専用の機器を使用するのが理想的です。

 

 

自治体によっては測定器を貸し出してくれる

自治体によっては、騒音計の貸し出しサービスを提供している場合があります。これを利用することで、自分で購入せずに騒音を測定することができ、問題があるかどうかを確認できます。

貸し出しの条件や手続きは自治体ごとに異なるので、事前に問い合わせることをおすすめします。

 

騒音トラブルの対処方法

騒音 対処法

 

騒音トラブルに直面した際、感情的にならずに冷静に対応することが重要です。対処方法は状況やトラブルの内容に応じてさまざまですが、まずはできる限り円満に解決する手段を探り、それでも解決しない場合は法的な手段を検討することが必要です。

以下では、賃貸物件での対応から、最終的な法的手段まで、具体的な騒音トラブルの対処方法について解説します。

 

賃貸の場合は管理会社に連絡する

賃貸住宅で騒音トラブルが発生した場合、まず最初に相談すべきは管理会社です。管理会社は、住民同士のトラブルを調整する役割を持っているため、直接相手と対峙せずに問題を解決できる可能性があります。

多くの場合、管理会社が間に入ることで、問題を迅速に解決することが可能です。特に、相手方が騒音を自覚していない場合、第三者の立場である管理会社から注意が入ることで、効果的に騒音が改善されるケースも多いです。

管理会社に連絡する際には、騒音の発生時間や頻度、騒音の種類などを記録しておくとよいでしょう。これにより、管理会社も状況を正確に把握しやすく、適切な対応を取ることができます。

 

⇒賃貸マンションの騒音トラブル、相談窓口は管理会社?それとも警察?

 

直接話をして解決する

もし可能であれば、騒音の発生源となっている相手と直接話し合うことも効果的な対策です。多くの騒音トラブルは、相手が自分の出している音が迷惑だと気づいていないことが原因となっているため、穏やかに話し合うことで解決できることが少なくありません。

この際、重要なのは冷静さを保ち、相手を責め立てるのではなく、状況を理解してもらうように努めることです。たとえば、「最近夜中にテレビの音が少し大きく感じられるんですが…」といった形で、穏やかに説明することで、相手も協力的になりやすくなります。

ただし、相手が話し合いに応じない場合や、感情的な対立を避けたい場合は、無理に話し合いをする必要はありません。そのような場合には、管理会社や第三者の介入を求めるのが良策です。

 

警察に連絡する

騒音が深夜や早朝など、特に迷惑な時間帯に発生している場合や、相手方が注意しても改善しない場合には、警察に連絡することも一つの手段です。警察は、騒音が周囲の平穏を乱すものであると判断すれば、注意喚起や指導を行うことができます。特に、深夜の騒音や公道での騒音は、地域の規制に違反することが多いため、警察による指導が有効な場合があります。

ただし、警察は騒音の程度が非常に深刻である場合や、公共の秩序を乱すと判断した場合に介入することが多いため、軽微な騒音では対応が難しいこともあります。このため、警察に通報する際には、騒音が地域の規定を大きく超える深刻な問題であることを強調することが大切です。

 

裁判・訴訟などの法的手段を用いて訴える

騒音トラブルが解決しない場合、最終手段として裁判・訴訟などの法的手段を用いることが考えられます。裁判では、騒音の影響を受けた側が損害賠償を請求したり、騒音の差止めを求めることができます。

法的手段を取る場合には、騒音の記録や証拠が重要になります。騒音計を使用して騒音レベルを測定し、記録を残すことや、騒音が発生した日時を詳細にメモしておくことが求められます。

また、法的手段に出る前には、弁護士に相談することが重要です。弁護士は、騒音トラブルの内容に応じて適切な対応方法をアドバイスしてくれます。裁判には時間や費用がかかるため、解決のための最終手段として検討されるべきです。

 

 

騒音を軽減するグッズを活用する

もし、相手側との直接的な解決が難しい場合、自分の生活環境を改善するためのグッズを活用することも効果的です。以下にいくつかの騒音軽減グッズを紹介します。

 

イヤープラグ(耳栓)

最も手軽に騒音を防ぐ手段として、イヤープラグや耳栓の使用があります。

これは特に、睡眠を妨げる夜間の騒音に対して有効です。耳栓やイヤープラグ、外部の音を遮断する効果が高く、簡単に導入できる対策です。

 

防音マット

床から伝わる騒音に対しては、防音マットを活用することが効果的です。

特に、マンションやアパートでは、上階からの足音や物音が気になることが多いですが、防音マットを敷くことで、音の振動を軽減し、隣室への音漏れも防ぐことができます。

 

遮音カーテン

窓からの騒音が問題となる場合、遮音カーテンが役立ちます。遮音カーテンは、通常のカーテンよりも厚手で、外部の音を遮断する素材で作られています。

これにより、外部からの騒音が軽減され、室内の静音性が向上します。

隙間テープ

窓やドアの隙間から音が漏れてくる場合には、隙間テープを使って音漏れを防ぐことができます。

特に、古い建物では窓やドアの隙間が大きく、音が通りやすくなっているため、隙間テープを使って隙間を塞ぐことで、騒音の侵入を防ぐことができます。

引越しして騒音から物理的に離れる

最終的な解決策として、どうしても騒音が解決しない場合は、引越しを検討することも一つの方法です。騒音問題が長期間続く場合、ストレスや健康への影響が大きくなることがあるため、物理的に騒音から距離を取ることが最も確実な対策となることもあります。

引越し先を選ぶ際には、独立性の高い間取りを選ぶことが推奨されます。例えば、戸建て住宅や、マンションであれば上下左右の隣接が少ない部屋を選ぶことで、騒音のリスクを大幅に軽減できます。また、静かな地域や、防音性能の高い建物を選ぶことで、騒音問題から解放され、快適な生活を取り戻すことができるでしょう。

 

 

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まとめ:騒音トラブルは何デシベルあれば訴えることが可能?→時間帯や地域によって異なる。まずは自身の状況に合わせて適切に対処しよう

騒音 まとめ

 

今回は「【騒音トラブル】何デシベルで訴えることが可能?具体的な基準と対策」について解説しました。

騒音トラブルは日常生活において避けられない問題であり、適切に対処しないと、精神的なストレスや健康被害を引き起こす可能性があります。環境省の調査によると、工事現場や工場、家庭生活などさまざまな音源が騒音の原因となっており、地域や時間帯によって許容されるデシベルの基準も異なります。騒音を軽減するグッズの使用や管理会社への相談、場合によっては法的手段を用いることが効果的です。

 

本記事のまとめ

  • 騒音トラブルの原因は建設作業や工場、家庭生活など多岐にわたる
  • 許容される騒音レベル(デシベル)は地域や時間帯によって異なる
  • 生活騒音の発生源として、電気機器やアイドリング、人の声などが多い
  • 騒音の対策には管理会社への連絡、警察や法的手段の活用が有効
  • 騒音を軽減するグッズや引越しによる環境改善も一つの解決策

 

騒音問題に悩まされたときは、まず自分の状況を冷静に把握し、適切な手段を講じることが重要です。この記事を参考にして自身の状況にあった行動を起こしてみてください。

 

  • この記事を書いた人

みやへい

不動産管理会社勤務/月間約5万PVのブログ『みやへい不動産』運営/ 不動産・暮らしに役立つ情報中心に発信しています/宅地建物取引士/2級FP技能士/3児の父は育児も奮闘

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