大阪の賃貸管理会社勤務のみやへい(@miyahei2023)です。
賃貸物件を退去する際、一番問題(トラブル)になるケースって何だと思いますか?
ご察しの方も多いと思いますが原状回復費用の清算です。
一般的な賃貸借契約では、原状回復義務といって、借りた側は退去する際には借りた時の状態に戻す義務があります。
つまり退去の時に大家さんや管理会社と立ち合いをして汚損や破損がないかチェックするのですが、その時に入居時に無かった汚損や破損等があれば賃借人(契約者)に請求がきます。
但し自然損耗や経年劣化は賃貸人(大家さん)の負担になりますので、賃借人が支払う必要はありません。
そんな退去時の清算で私の周りでも良く聞くのが、退去時についていた傷が元々あったものか、後からつけた傷かの判断がつかずトラブルになるケースです。
これは非常にやっかいで、「立ち合い時に傷を指摘されたものの住んでいた本人が覚えていない為、もやもやが残る状態で渋々清算する。」というケースもあれば、
「身に覚えの無い傷を指摘されて否定したものの証拠が無い為泣き寝入りしてしまう。」
なんてことが 、実は結構頻繁に起こっているのです。
今回は、月間にして多いときで20件以上退去立ち合いをこなしている私が、退去時にそういったトラブルに巻き込まれないように入居時にしておく対策を皆さんにお伝えしていきたいと思います。
元からあった傷を賃貸の管理会社は把握していない
ぶっちゃけて言います。
管理会社は入居時の状況を把握していない場合が結構多いです。
私の職場でも今では入居前に隅々写真を撮って、 室内不備が無いかしっかりチェックしているものの、 長年住まわれているお部屋であったり、 管理会社が途中で変更した物件は 写真や入居した時の状況などの引継ぎを受けていないことが多い為、 正直あまり把握していない、なんて場合が結構あります。
退去時に身に覚えが無い傷を指摘された場合は証拠があるか聞いてみましょう。
入居時に写真を撮ることで元からあった傷の請求を防ぐことができる
できる限り家具などの物を設置する前に、室内の写真を撮っておくことおすすめします。
入居時に気になる傷などの写真を撮っておくことで、退去時に身に覚えない傷の指摘を受けてもその写真が証拠となり、不当な請求を防ぐことができます。
入居時に写真を撮る時のポイント
ポイントを下記にまとめましたのでご参照ください。
できるだけ多く撮影する
退去時には、意外な箇所の写真が必要になったりします。
例えばクローゼットの中や洗濯排水に付属する設備、風呂、天井など隅々まで撮影することで不意に確認が必要になった時にも対応できます。
マスキングテープを活用する
よくやってしまいがちなのが、写真をたくさん撮ったのはいいものの、見返してみるとどこを撮った写真なのかがよくわからないということがあります。
そんな時はマスキングテープを活用してどこの写真を撮ったかわかるようにしておきましょう。
遠めのアングルと近めのアングルの両方で、破損部分の近くにマスキングテープを貼り撮影しておくことで、どの位置にある傷なのかがパッと見てわかります。
◆遠めのアングル
◆近めのアングル
マスキングテープは床や壁と同系色を避ければ、何色でも特に問題ないと思います。
マスキングテープが無い方は、代わりに付箋を使っても良いでしょう。
入居時チェックリストを活用する
管理会社の中には、入居前に鍵と一緒に入居時チェックリストを送ってくれる所もあります。
この入居時チェックリストは室内の各場所で汚損、破損等があるか否かをチェックするリストのことで、通常入居時の状態をチェックした後管理会社に郵送したら、退去時まで保管してもらえて退去時に入居時の状態と照らし合わせるといったものです。
ただし、実際はほとんどの管理会社がここまで丁寧に用意してくれません。
そういう時は自分だけでもチェックしておくことが望ましいでしょう。
可能であれば管理会社に連絡して、チェックリストを保管してくれるか聞いてみましょう。
そのチェックリストですが、国土交通省が作っている様式がありますので、以下に貼っておきます。
国土交通省のHP内にある「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をダウンロードすればその中にもチェックリストが入っています。
<入居時の物件状況及び原状回復確認リスト>
管理会社に連絡を入れて共有する
最後に、念には念を、という方は管理会社に連絡をして共有してもらいましょう。
これは管理会社の規模によりますが、そこそこの規模で管理業をメインにやっている会社であればクレーム受付のシステムなど何かしら電話で受け付けしたことを共有するシステムがあるはずです。
管理会社に連絡して気になる箇所を事前に言っておくで、退去時にはその箇所を注意して見てくれるはずです。
まとめ:賃貸入居時には写真撮影し入居時チェックリストを活用することで元からあった傷の不当請求を防ぐことができる
今回は、退去時のトラブルを未然に防止する為の記事を書きましたがいかがだったでしょうか。
入居時に写真撮影、チェックリスト記入、管理会社に気になる箇所を連絡しておくことで、冒頭で書きました退去時についていた傷が元々あったものか、後からつけた傷かの判断がつかずトラブルになるなんてことは、まずなくなると思います。
まあ大丈夫だろう、というその油断が後で後悔することに繋がるかもしれません。
やっておいて損することはありませんので、今回の記事を是非参考にしていただいて実行してみてください。
それではまたお会いしましょう!!