大阪の賃貸管理会社に勤務している
みやへい(@miyahei2023)です。
わたしが勤務している管理会社では、賃貸を借りる人の申込内容を確認したり入居審査を行ったりしているのですが、申込の内容を見ていると、最近母子家庭(シングルマザー)の申し込みが多いなーとふと感じました。
気になったので調べてみた所、やはり母子家庭の世帯数は増加傾向で、平成の初期と比べると母子家庭の世帯数は1.5倍以上にも増えているそうです。
そんな母子家庭の方ですが、これから賃貸を借りるとなると、
借りれる物件はあるのかなー、審査は大丈夫かなーといった不安が当然出てくるかと思います。
今回はそんな母子家庭のお部屋探しについて、実際に借りれお部屋はあるのか、審査ではどんな内容が見られるのか、などといったことを解説していきたいと思います。
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母子家庭でも借りられるお部屋は多い
母子家庭で賃貸物件を借りるとなると、特にはじめての方は借りれるかどうか不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、母子家庭でも賃貸の契約は可能です。
というのも前述したように、母子家庭自体の数がかなり増えていることもあり、最近は母子家庭だからといって断るオーナーはかなり少なくなりました。(昔はそれだけで断れることも結構多かったみたいです。)
しかし、ここでいうのはあくまで『母子家庭だからという理由だけで断られることは少ない』というお話で、世帯の状況によっては断られることもあります。
以下から掘り下げて解説していきます。
母子家庭の人が審査でチェックされるポイント
母子家庭の方が審査で見られるポイントは以下のようなものがあります。
- 子どもの年齢
- 職業の安定性
- 収入の額
- 見た目やイメージ
審査で見るポイントは、母子家庭であるか否かに関わらず、
基本的には、『家賃を毎月しっかりと支払っていけるか』 『他の住民と上手く付き合っていけるか』ということが重要になります。
貸す側の立場からみると、上記のポイントさえ懸念がなければ、特別な事情がある場合を除いては、特に断る理由も見当たらないでしょう。
子どもが幼いと断られることも
物件にもよりますが、子どもの年齢が幼いと断られてしまうことがあります。
理由としては、夜泣きや足音などの騒音が生じて、他の入居者とトラブルが起きてしまうのではと判断されてしまうからです。
特に0歳~5歳ぐらいまでだと断られやすく、6歳以上だと断られにくくなります。
また、音が響きやすい木造などのアパートや、単身向けの物件だと入居が難しい場合も多いので、
できればファミリー向けの物件で、RC(鉄筋コンクリート)造などのマンションタイプを選ぶのがベターです。
母子家庭の審査通過難易度は収入があるか無いかで変わる
やはり一番審査に影響が出るのは収入の部分です。
当然、職が不安定だったり、収入が少なかったりすると、入居審査に引っかかることがあります。
以下からケース別にみていきましょう。
契約者の収入がある場合
契約者(母親)に安定した収入がある場合は審査が格段に通りやすくなります。
入居者審査には、保証会社の審査、管理会社の審査、オーナーの審査がありますが、家賃に対して十分な収入があれば大丈夫でしょう。
家賃の目安に関しては以下の記事を参考にしてください。
CHECK!
収入に対しての家賃の目安はどれくらい?手取り金額を基準にしよう!
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契約者が無職または収入が少ない場合
契約者が無職だったり、収入が少ない場合は、しっかりとした連帯保証人を立てたり、身内の方で収入が安定している人に代わりに契約者になってもらうことで入居者審査が通りやすくなります。
中には、契約者本人だけの内容で審査に通ることもありますが、まわりの助けを借りることができると、より選択肢も広がるというわけです。
ただし、代理契約の場合は注意があります。
母子手当、住宅手当、児童手当等の申請をする際に賃貸借契約の名義が別の方の名前になっていると厄介なので、可能な限り本人名義で契約をした方がよいでしょう。
契約者の収入は少ないが預金がある場合
契約者が無職だったり、働いていたとしても収入が全然ない、といった場合でも、預金などがあって、家賃が払えることを証明できれば入居審査を進める上でプラスの材料となります。
例えば、離婚の慰謝料や、死別した場合の保険金などがある場合は、通帳のコピーを提出して審査に通過できるパターンも数多くあります。
ただし、通帳コピーを審査の材料として見てくれるかどうかはオーナーや管理会社によって異なりますので、一度相談してみましょう。
母子家庭で連帯保証人がいない場合は契約ができないの?
契約するにあたって、連帯保証人が必須の場合があります。
もし連帯保証人が必須の物件の場合は、母子家庭かどうかに関係なく連帯保証人が必要になるので、用意するのが難しいとなると契約ができないということになります。
最近では保証会社に加入することを条件に、連帯保証人が不要の物件も増えてきているので、もし連帯保証人を用意するのが難しい場合は、事前に不動産会社の担当に伝えておくのがよいでしょう。
こちらもCHECK
保証会社と連帯保証人はなぜ両方必要?賃貸の契約でダブル保証が必要な理由
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母子家庭で賃貸を借りる際は家賃補助制度を利用しよう
母子家庭で賃貸物件を契約する場合は家賃補助制度が利用できる場合があります。
住んでいる自治体によって制度の内容が変わりますので、自治体に確認してみましょう。
兵庫県の神戸市を例に出すと以下がHPに記載されている内容です。
【対象条件】
(1)ひとり親世帯であること
次のいずれかに該当し、かつ18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもを扶養していること
配偶者と婚姻(内縁関係を含む)を解消された方
配偶者が死亡された方
配偶者の生死が明らかでない方
DV(配偶者からの暴力)被害を受けた方
婚姻によらないで母・父となった方
(2)世帯全員の所得合算額が市営住宅の収入基準(政令月収158,000円以下)を満たすこと
※政令月収については、市営住宅の申込資格の収入条件をご確認ください。
(3)申請時の住所に住み替えを行う前から、神戸市内に在住又は在勤していること
(4)住宅要件を満たす民間賃貸住宅に新たに引越し、住環境が改善されること
ア対象となる引越し期間
令和2年1月1日から令和3年1月31日
イ住宅要件
居住面積が25平方メートル以上であること
新耐震基準に適合していること
※新耐震基準(昭和56年6月1日以降に建築された住宅)に適合しない住宅については、耐震診断により同等の耐震性を有することが確認された住宅である必要があります。
※鉄筋コンクリート造階段室型共同住宅(5階建て以下の団地)の耐震性の取り扱いについては、お電話にて問い合わせください。
申請者の三親等内の血族及び姻族並びに配偶者の所有する住宅ではないこと
(5)公営住宅に落選したこと
ひとり親世帯となって以降、申請時の住所に住み替えを行う直前の住宅に居住している間に、公営住宅(市営・神戸市内の県営住宅)に申し込みをして落選したことがあること。(ただし、住み替え日以前3年間の申し込みに限ります。
DV被害等、緊急的な理由により公営住宅に申し込みができない場合はご相談ください。
(6)申請前の住居が公営住宅でないこと
(7)生活保護法に規定する住宅扶助及び生活困窮者自立支援法の規定による住居確保給付金を受給していないこと
(8)兵庫県又は神戸市から同様の家賃補助等を受けていないこと
(9)世帯全員が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員でないこと
【補助内容】
(1)補助金の種類
家賃補助月1万5千円(最大)
家賃債務保証料補助6万円(最大)
※家賃債務保証料とは、住宅の賃貸借契約に当たって、家賃債務を担保するために家賃債務保証会社に支払う保証料のことです。
(2)補助期間
最大6年間(一番下のお子様が18歳に達して以後、最初の3月31日まで)
※家賃債務保証料補助を受けた場合は、補助額に相当する家賃補助月数分を差し引きます。
※継続して補助の交付を受けるには、毎年継続申請をしていただく必要があります。
(3)交付月
8月、12月、4月
※交付月の前4ヶ月分の家賃について、支払確認後、請求に基づき補助金を交付します。
神戸市の場合は該当すると最大で15,000円の補助金がもらえるので、利用しない手はないですね。
まとめ
今回は、『母子家庭の入居審査は厳しい?ケース別賃貸を借りる際のシングルマザーの審査』という内容で記事にしてみましたがいかがだったでしょうか。
まとめると、
- 母子家庭でもお部屋は借りられる
- 審査に通るかどうかは収入や世帯状況による
- 子どもが小さいと断られることがある
- 無職や収入が低くても預金があれば審査に通ることも
- 家賃補助制度は利用した方がよい
色々と説明しましたが、最近は母子家庭の方が多いということもあり、不動産会社の担当も、『この物件は前母子家庭の方を紹介したから問題なさそうだ』とか、『ここの物件は無職でも通帳コピーで審査をしてくれる』などといったことが感覚的にわかる方も多いと思いますので、悩む前にまずは不動産屋さんに行って相談してみることがよいかもしれません。
それではまたお会いしましょう!!
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