大阪の不動産管理会社に勤務するみやへい(@miyahei2023)です。
アパートやマンションなどの賃貸物件を契約する際に、初期費用として「仲介手数料」がかかるのはご存じですか?
初期費用はできる限り抑えたいものですが、仲介手数料については物件によって金額が違うようです。
では実際の仲介手数料の相場はいくらなのでしょうか。
今回はそんな「賃貸物件の仲介手数料の相場」について解説していきます。
また、仲介手数料が安い物件は落とし穴が潜んでいる場合もありますので、仲介手数料が安い物件特有のリスクについてもご紹介しています。
契約の際に損をしたくない方はぜひ最後まで見てくださいね。
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目次
仲介手数料のルールについて
まず大前提として、契約する際の仲介手数料に関しては宅地建物取引業法という法律で取り決めがあります。
結論、不動産会社が受け取ることができる仲介手数料の上限は貸主と借主を合計して賃料の1ヵ月分以内と定められており、片方から受け取れる仲介手数料は0.5ヶ月分(半月)が上限となっております。
また、例外として借主(もしくは貸主)から事前の承諾を得ることによって、片方から1ヵ月分を受け取ってもよいとされています。
この場合でも受け取れる仲介手数料の合計額は1ヵ月分が上限で変わりません。
下の図解を参照いただけるとわかりやすいと思います。
尚、不動産購入(売買契約)時に支払う仲介手数料とは少しルールが異なりますので注意しましょう。
事務所や店舗の契約については、合計が1ヵ月分以内であればそれぞれから受け取る報酬額に制限がありません。
仲介手数料の相場とは
仲介手数料の相場ですが、ずばり0.5ヶ月分~1ヵ月分+消費税が目安となっています。
つまり、仲介手数料は家賃の金額と連動しているため、家賃が安くなれば安くなり、家賃が高くなればなるほど高くなるということになります。
家賃ごとの仲介手数料を表にまとめてみましたので確認してみましょう。
家賃 | 仲介手数料(0.5ヶ月分) | 仲介手数料(1ヶ月分) |
---|---|---|
40,000円 | 20,000円(税別) | 40,000円(税別) |
50,000円 | 25,000円(税別) | 50,000円(税別) |
80,000円 | 40,000円(税別) | 80,000円(税別) |
100,000円 | 50,000円(税別) | 100,000円(税別) |
上記の中からひとつ例にあげると、家賃80,000円で仲介手数料が0.5ヶ月分だと40,000円(税別)が仲介手数料となり、1ヶ月分の場合だと80,000円(税別)が仲介手数料となります。
この半月分の差はかなり大きいですよね。
同じ物件でも、不動産会社によって仲介手数料の金額が異なる場合がありますので、初期費用を少しでも安く抑えるためにも、事前に見積書を出してもらうなどの確認をしっかりと行っておきましょう。
仲介手数料を含めた初期費用の例
例えば家賃8万円で仲介手数料0.5ヶ月分のマンションを契約する際にかかる初期費用をシミュレーションしてみましょう。
項目 | 費用 |
---|---|
敷金・礼金 | 100,000円 |
前払い家賃 | 80,000円 |
仲介手数料 | 44,000円 |
賃貸保証料 | 40,000円 |
火災保険料 | 20,000円 |
鍵交換費用 | 16,500円 |
ハウスクリーニング費用 | 22,000円 |
合計 | 322,500円 |
仲介手数料以外にも礼金、賃貸保証料、火災保険料、前払い家賃などがかかりますので、ざっと30万円程度になります。
初期費用はおおよそ家賃の4~5か月分が相場になっており、家賃が高くなればなるほど初期費用も高くなりますので負担が増えるでしょう。
仲介手数料の値引きができるケースとは
仲介手数料は不動産会社のメインの売り上げになることから、できる限り仲介手数料を値引きしたくないものです。
ですが、契約がないことには当然売り上げがゼロになりますから、場合によっては値下げすることもあります。
ではどのようなケースで仲介手数料を値引きしてもらえるのでしょうか。
大家さんが空室に困っている
大家さんは不動産会社に物件の紹介を依頼していますが、空室に困っている物件や早く次の入居者を紹介してほしいという想いが強い大家さんは、仲介手数料とは別に不動産会社に報酬を支払っています。
ここは少々グレーになるのですが、仲介手数料という名目だと金額に上限がありますので、広告料やAD、業務委託料などいった名目を設定して報酬を支払うことになります。
よって、不動産会社からしてみれば、報酬を別でいただける物件であれば、仮に仲介手数料を値引きしたとしても損失が少ないので、値引き交渉に応じてくれるケースがあります。
不動産会社の営業マンが数字に追われている
わたしも仲介の経験があるのでよくわかるのですが、特に月末あたりになると賃貸営業マンは1件でも多く契約が獲得できるように躍起になります。
そこで、契約を逃したくないという考えから、少しだけなら値引きしてもいいかという心理になり値下げに応じる場合がありますよ。
大家さんと直接契約
大家さんと直接契約ができる場合は間に不動産会社が入らないため仲介手数料は発生しません。
他の不動産会社と相見積もりを取った場合
例えば「家賃10万円のみやへいマンション」という物件が気に入って、紹介を受けた不動産会社Aで見積もりを取ってもらったら仲介手数料が10万円(税別)だった場合に、そのことを不動産会社Bに告げると「当社ならみやへいマンションの仲介手数料を5万円(税別)にできますよ。」と値引きに至るケースがあります。
わたし的には最初に紹介してくれた営業マンが色々と力になってくれたのであれば、まずはその営業マンに値引きできないか相談してみることをおすすめします。
仲介手数料だけで物件を探すと損するかも
仲介手数料は安く抑えられるに越したことはありませんが、仲介手数料の金額にこだわってお部屋を探してしまうと損する可能性もあります。
以下のようなデメリットがありますのでご紹介します。
紹介される物件が少なくなるかも
不動産会社は仲介手数料を安くしようと思うと、売り上げを立てる為に、大家さんから別で報酬がもらえる物件を積極的に紹介することになります。
よって、幅広い物件を提案されなくなってしまう可能性があります。
値下げが理由で他の希望者に物件を契約されてしまうかも
仲介手数料は不動産会社にとってはメイン収益になりますので、できる限り値下げはしたくないものと前述しました。
そこで気を付けたいのが、値下げ交渉をしている間に他の希望者に物件を取られてしまう可能性があるという事実です。
他の希望者が交渉なしで即契約を申し出た場合には、交渉なしの希望者が優先されるケースがあります。
そうなってしまうと、せっかく気に入った物件を逃してしまいますので、初期費用を抑えることは当然大事ですが、あまりこだわりすぎるのもよくありませんね。
物件の条件が良くないケースがある
不動産会社からすると、人気物件は値下げをしなくても入居が決まるので、値下げする必要がありません。
一方で、交通のアクセスが悪い、日当たりがよくない、物件が古いなど、あまり人気の無い物件は、入居に繋げるために初期費用を安く設定している場合があります。
初期費用だけにこだわると、人気物件は紹介されなかったりするので、物件探しの優先順位を明確にして探すようにしましょう。
まとめ
今回は『賃貸物件の仲介手数料の相場』について解説しましたがいかがだったでしょうか。
本記事のまとめです。
- 仲介手数料の相場は0.5ヶ月分~1ヵ月分(税別)
- 家賃が高くなれば仲介手数料も高くなる
- 仲介手数料は値引きしてもらえるケースがある
- 仲介手数料の金額だけで物件を探すと損することもあり。
仲介手数料は当然安く抑えられた方がいいですが、そこだけに固執してしまうと、理想のお部屋を逃してしまう可能性がありますので、しっかりと優先順位をつけて、希望にあった物件を探すようにしましょう。
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