
大阪の賃貸管理会社勤務
みやへい(@miyahei2023)です。
世の中はどんどん高齢化が進んでおり、総務省の統計でも日本の全人口における65歳以上の割合が2020年時点で28.7%となっております。
そうです!日本は、
4人に1人が65歳以上という超高齢化社会なのです。
そんな中今問題になっているのが、賃貸アパート又はマンションの老朽化等によって立ち退かないといけない状況になった時に、高齢者が賃貸を借りるのが難しい。といった壁にぶち当たります。
今流行りの「サービス付き高齢者住宅」にでも入居できればさぞかし快適なのでしょうが、何せ家賃がかなり高額な所が多いので、少ない年金生活ではとてもそんな所に入居できないといった方が多いのが現状でしょう。
高齢者が増え続けている昨今、そんな悩みでお困りの当人や家族の方も少なくないのではないでしょうか。
- 高齢者はなぜ賃貸を借りにくいのか
- オーナーは高齢者に対してどのように思っているのか
- 高齢者といっても何歳から借りにくくなるのか
- 選択肢を増やす方法はあるのか
今回の記事ではそんな疑問について解説していきます。
この記事を書いた人
高齢者が賃貸を借りるのが難しい理由

高齢者はなぜ賃貸を借りにくい理由は審査が通りにくいからなのですが、なぜ審査が通りにくいのでしょうか。
入居審査についてはこの記事がわかりやすいです。
審査は通常 オーナー審査・管理会社の審査・保証会社の審査 がありますが、通りにくい理由は以下の4つのリスクを審査側が恐れているからです。
審査側が恐れるリスク
- 孤独死のリスク
- 家賃滞納のリスク
- 認知症のリスク
- 設備上のリスク
①孤独死リスク
高齢者の入居には健康面によるリスクが付きものです。
悲しいお話ですが、高齢者が一人で住んでいて万が一のことがあった場合に発見が遅れると腐敗が進んで膨大な損害が及ぶだけではなく、そのようなことが起こってしまうと「事故物件」扱いになってしまう為、次の入居者を探すのが大変になってしまいます。
②家賃滞納のリスク
事実として高齢者の家賃滞納は非常に多いです。
年金だけでは生活費が賄えず、貯金を切り崩して生活をしているようでは当然家賃も遅れ遅れになってしまいがちです。
③認知症のリスク
認知症でまず恐れられているのが火災などのリスクです。
天ぷらをしていて火を消し忘れたり、たばこの火の不始末で火災に発展してしまうことがあります。
それだけではなく、他の入居者に迷惑をかけた場合にオーナー・管理会社は管理責任がありますので毎回対応しなければなりません。
④設備上のリスク
高齢者が一人で生活するというのは想像以上に大変です。
最近ではバリアフリー物件が増えてきたものの、特に家賃がお手頃な物件は築年数が古い物件が多い為、バリアフリーになっていない物件が多いです。
そうなると生活に不便を強いられるので、完全なバリアフリーとはいかないまでも手すりの設置やスロープの設置が必要になることも出てくるでしょう。
もちろんオーナーが費用を負担する必要はありませんが、入居者負担の設置に関しては入居することを承諾した以上、オーナーとしては中々断りにくいものです。
オーナーは高齢者に対してどのように思っているのか
オーナーが高齢者に対してリスクに思っている点については上記で解説しましたが、一体どれぐらいの割合のオーナーが高齢者に対して拒否感を抱いているのでしょうか。
公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会が発表している家賃債務保証会社の実態調査報告書に高齢者の入居に対する大家の意識についてのデータがありました。
以下のようなグラフになっています。

データによると、全体の6割が高齢者の入居者に対してネガティブなイメージをもっています。
高齢者といっても何歳から借りにくくなるのか

ここでも公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会のデータを見ていきます。

出典: (公財)日本賃貸住宅管理協会(平成26年度)家賃債務保証会社の実態調査報告書より「入居制限の有無」
ここで見てわかるのは、60代は49.1%の割合で「審査が通りやすい」のに対し、70代になると22.6%と一気に落ち込んでしまいます。
このデータから見てわかるように
70代から審査が厳しくなると言えます。
高齢者が選択肢を増やす方法はあるのか

ポータルサイトで高齢者可物件を探す
ポータルサイトによっては、検索するときの絞り込み検索(こだわり条件)で「高齢者可」とか「高齢者歓迎」といったチェック項目がありますので、そこにチェックを入れて検索すれば効率よく物件を探すことができます。
↓最大手のSUUMOのサイトだとこんな感じです。

まずはあなたのエリアでどれだけ対象物件があるか検索してみましょう。

子供名義で代理契約する
子供を契約者とする代理契約で申込むことで、今まで高齢者を断っていた物件でも入居できることがあります。
契約者となる子どもが近くに住んでいるなら尚印象がよく、更に別で連帯保証人を立てることができるのであればアピールしやすいでしょう。
UR賃貸で探す

更に営業所によっては 社会福祉士やケアマネジャー等の有資格者を設置した相談窓口を設けておりますので、どんな制度か詳しく聞きたい方は問い合わせてみてください。
UR八重洲営業センター
所在地:東京都中央区八重洲1-8-17 新槇町ビル4階
※UR八重洲営業センターの高齢者相談窓口は一時的に休業しております。
2024.5現在
UR梅田営業センター
所在地:大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスエントオフィスタワー12階
TEL:06-6346-3446(高齢者相談窓口専用ダイヤル) 開設日時:火・土
午前10時~午後5時(正午~午後1時を除く)
思い切って購入する
思い切って賃貸に住む考えを取っ払って、購入を視野に入れるという選択肢もあります。
購入の場合は賃貸住宅のような年齢制限が無いからです。
最近では高齢者向けのバリアフリーのマンションも増えてきていますが、正直バリアフリーのマンションは価格も結構するので、費用を抑えるなら築年数が経ったマンションの1階を選んで自分で手すりを付けたり浴槽にステップを付けたり工夫するという手もあります。
ただし、高齢者で住宅ローンを組むのは難しい為、まとまったお金が必要になります。
まとまったお金を用意するのが難しいなら、子どもの名義でローンを組んで子どもに返済していくか、まだ60代であれば住宅金融支援機構のフラット35に申し込むことができます。しかし80歳までに完済するプランしか組めませんので月々の返済額は高めに設定されてしまいます。
まとめ:高齢者が賃貸を借りるのが難しい理由と対策
今回は高齢者が賃貸を借りるのが難しいことについて記事にしましたがいかがだったでしょうか。
世の中的には高齢化社会が進んでいる中で、UR賃貸住宅みたいに高齢者をどんどん受け入れていこうといった動きも出てきておりますので、将来的にはもっと高齢者が安心して暮らせるような仕組みができていったらいいなと思います。
不動産会社によっても紹介できる物件が異なりますので、1社に相談してダメだったとしても諦めず、2社目、3社目とまわっていきましょう。
そうすることで気に入った物件と出会える可能性もアップするはずです。
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