大阪の賃貸管理会社に勤務しております みやへい(@miyahei2023)です。
管理会社では、入居者さんから日々様々なクレームや相談の連絡が入りますが、その中で「連帯保証人を変更したい」と問い合わせをいただくことがあります。
なぜ保証人を変更したいかという理由は様々ですが、そもそもそんなに簡単に連帯保証人の変更はできるものなのでしょうか。
変更するにあたって費用等は発生するのでしょうか。
今回は、そんな保証人変更について解説していきたいと思います!!
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目次
そもそも保証人とは?保証人と連帯保証人の違い
そもそも保証人とは、契約者(借主)が家賃や原状回復費用などの債務を滞らせた場合などに契約者に代わって債務を保証する人のことをいいます。
保証人の種類の中には保証人と連帯保証人があります。
契約者が債務を支払えなくなった場合に、契約者に代わり返済する義務を負うという点では同じですが、それぞれ責任の重さに違いがあります。
保証人には催告の抗弁権と検索の抗弁権というものが与えられます。
催告の抗弁権とは、例えば債権者(オーナーや管理会社、保証会社)が保証人に請求をしてきた場合に、まずは契約者に請求してください、と言える権利のことです。
一方連帯保証人の場合はこの催告の抗弁権がありませんので、上記の様な主張ができないので、支払う義務が課せられます。
検索の抗弁権とは、契約者が返済できる資力(資金)があるにも関わらず返済を拒んだ場合で、保証人に請求してきた債権者に対して、「契約者は支払い能力があるのだから、強制執行してでも契約者から回収してください。」といえる権利のことです。
連帯保証人は検索の抗弁権がありませんので、仮に契約者に資力があったとしても支払いの義務を負うことになります。
連帯保証人は事実上、契約者とほぼ同等の責任を負うことになりますので、保証人に比べると責任が非常に重くなります。賃貸物件の契約で保証人が必要な場合はほとんど連帯保証人契約になっております。
賃貸の連帯保証人は変更できるの?管理会社及びオーナーの承諾が必要
結論から言いますと、連帯保証人の変更はオーナーもしくは管理会社に相談して、承諾を得ることができれば変更手続きが可能です。
しかし、正当な理由が無く自己都合の場合は難しいケースもありますので、一度管理者に相談してみると良いでしょう。
管理者から承諾を貰えたら、入居申込と審査をイチから行い、審査合格後に新たな契約を結びなおすというのが一般的な手続きの流れです。
中には「連帯保証人変更の覚書」を取り交わし、今の契約書に付け足すような形で対応する所もあるようです。
貸す側からすると、特に変更を受ける必要性もメリットも無いので、断るケースも多々あります。
一方で、オーナー側にメリットがあれば変更を承諾してくれるケースもあるかと思います。
例えば原契約の連帯保証人よりも、契約者との関係性が深い場合や、収入が多い場合などは、その方がオーナーも安心するので、すんなりと受け入れて貰いやすい傾向があります。
連帯保証人を変更する理由
保証人を変更したいと申し出をされるのには必ず理由がありますが、その理由は様々です。
ただひとつ言えるのが、変更をされる方の殆どは契約者と血縁関係がありません。
以下の様なパターンが多いです。
Case1.職場の同僚、元同僚
契約者と元々一緒に仕事をしていて当時は仲が良かったので、連帯保証人を引き受けたものの、今となってはどちらかが退職したり、部署異動等で疎遠になったりしている状態なので連帯保証人を変更して欲しいというご依頼。
Case2.知人・友人
職場の同僚と同様に疎遠が理由で変更を依頼するケースもあれば、契約当時はお互いが独身で仲が良かったので連帯保証人を引き受けたものの、結婚をしてから奥さんに「家庭があるし、○○さんは金銭面で信用ができないから連帯保証契約を解除して欲しい」と言われ、変更を希望する方もいます。
Case3.元妻(元夫)、元恋人
通常は同一世帯の入居者は連帯保証人になれない場合が殆どですが、契約当時、他に保証人になってくれそうな人がいないという理由で、同一世帯の配偶者や恋人が連帯保証人になるので契約できないかとオーナーにお願いし、承諾を得て入居している場合があります。
しかし、恋人というものは、悲しいかな出会いあれば別れがつきものです。
離婚や破局を理由に、「もうあの人とは関わりたくない」といって変更を希望される方が多いです。
連帯保証人変更に必要な書類、手続き
管理者の承諾が得れたら、管理者の指定の方法に従って手続きをするような流れで進めていきます。
通常契約をまき直すケースが多いですが、その場合は申込書に契約者及び新たな保証人の情報を記入して、入居審査をします。
審査時、又は審査合格後の必要書類として、印鑑証明書、収入証明書等の提出が必要になります。
連帯保証人変更に必要な費用
保証人を変更する場合に必要な費用ですが、オーナーや管理会社によって変わります。
一般的には契約事務手数料が1万円~3万円程度、保証会社の保証料が総額賃料の30%~100%(例:10万円の家賃の場合3万円~10万円)程度が必要になります。
新たに別の物件を借りることも視野に
上記の内容から保証人変更は意外にも費用や手間がかかるというのがお分かりいただけたかと思うのですが、新たに物件を借りることも視野に入れても良いかもしれません。
その理由は年々保証人なしで入居できる物件が増えてきているのと、入居にかかる初期費用もここ10年くらいで大幅に安くなり、賃貸物件を借りるハードルがかなり下がっているからです。
まとめ
今回は賃貸契約における保証人変更について書きましたがいかがだったでしょうか。
連帯保証人の考え方は、基本的には契約者(借主)と同等の責務がありますので、変更するとなると面倒な手続きが必要になるケースが多いです。
契約自体も新たな契約をまき直したりと、手間がかかりますので、今の住まいに特別な思い入れや引っ越しできない事情がある場合を除いては、新しい物件を借りるということも視野にいれてもよいかもしれません。
とは言っても、オーナーや管理会社によって対応が全く異なりますので、まずは管理者に相談してみましょう。
それではまたっ!