みなさん『おとり物件』って知っていますか?
不動産情報サイトにおいて、紹介できない物件を掲載して客をおびきよせ、
違う物件を勧めるという悪質な手口が割と昔から、今でもなお存在します。
今回はそんな『おとり物件』について、
詳しく書いていきたいと思います。
この記事を書いた人
おとり物件(釣り物件)とは
『おとり物件』とは、
世の中に存在していない、もしくは募集に出ていない物件をポータルサイト等の広告に掲載して集客する手口のことをいいます。
別名『おとり広告』 『釣り物件』などと言ったりもします。
非常に悪質ですよね。
具体的な例でいうと、こんな感じです。(以下)
一度お店に来てもらえればその物件の紹介はもちろん、
他もいろいろと紹介します!
次の日曜日はご都合いかがでしょうか?
そして、日曜日...
電話で予約したSです。よろしくお願いします。
問い合わせした物件は今日見れますか?
ほんと残念なんですけど、ちょうどさっき申し込みが入ってしまったんですよ。
まあ紹介できたとしても、ここの大家さんは少しややこしい人なんですけどね。
では似たような物件があるのでそちらをご紹介しますね!
上記のような感じでおびきよせて、
違う物件を紹介するという流れです。
そんな悪質なおとり物件ですが、
以下の2つのパターンがあります。
おとり物件のパターンその1:実際には募集していない物件
建物自体は存在するが、
募集していない状況にも関わらずインターネットに掲載しているパターンです。
このパターンの中でも2つあって、
募集していないのにわざと空いているかのように見せかけて掲載しているパターンと、
成約したにも関わらず掲載したままになってしまっているパターンがあります。
前者は完全に悪意がありますが、後者の場合はうっかり載せっぱなしになってしまっていることも多いです。
賃貸物件はその不動産会社が自分のところで管理している場合や募集の窓口になっている場合と、別の不動産会社もしくはオーナーさんが管理している場合があります。
別の不動産会社もしくはオーナーさんが管理している場合は、物件が成約した場合にすぐに他の不動産会社に通知するわけではないので、どうしても把握するのと掲載を停止するのにタイムラグが発生してしまう為、このようなことがおこってしまうというわけです。
おとり物件のパターンその2:架空の物件
このパターンは100%悪質です。
いかにも反響がありそうな条件で架空の物件をネットに掲載します。
こんな不動産会社会社があると考えただけでおそろしいですね。
残念ながら実際に私が勤務している大阪エリアでは、
今もなお、こういった手口で集客している会社が結構あるようです。
おとり物件の掲載は違法
おとり物件の掲載はもちろん違法です。
景品表示法や宅地建物取引業法(通称 宅建業法)に抵触します。
例えば公正取引委員会が掲げる景品表示法4条1項3号の規定に基づく『不動産のおとり広告に関する表示』では、以下に該当する不動産の表示を禁止しています。
(1)取引の申出に係る不動産が存在しないため、実際には取引することができない不動産についての表示(例...実在しない住所・地番を掲載した物件)
(2)取引の申出に係る不動産は存在するが、実際には取引の対象となり得ない不動産についての表示(例…売約済みの物件)
(3)取引の申出に係る不動産は存在するが、実際には取引する意思がない不動産についての表示(例…希望者に他の物件を勧めるなど当該物件の取引に応じない場合)
引用:消費者庁HP
では、上記に該当するような『おとり物件』に出くわした場合にはどうすればよいのでしょうか。
『おとり広告』は上記の法律などに違反することになり、違反すれば厳重注意や罰金、程度によっては業務停止は免許取り消しにいたることもあります。
被害に遭われた方は『消費者庁』や各地域の『不動産公正取引協議会』に相談してみてもよいでしょう。
おとり物件の見分け方
おとり物件、おとり広告にひっかからいようにする為にはどうすればよいのでしょうか。
以下のポイントを参考にすれば『おとり物件』にひっかかる可能性はかなり軽減します。
家賃が相場よりも極端に安い場合は注意
おとり広告を載せるにしても、問い合わせの無いような魅力のない物件を載せても仕方がありません。
おとり物件は相場よりも安い賃料で広告する為、極端に条件の揃っている物件だと要注意です。
現地待ち合わせで内覧可能か聞いてみる
おとり広告を掲載している業者は現地待ち合わせを嫌います。
それはなぜかというと、当然募集していない、もしくは存在しない物件の情報を掲載しているわけですから、案内しようにもやりようがないからです。
電話やメールで問い合わせた際に、『内見したいんですけど、現地で待ち合わせはできますか?』
と聞いてみて、
『鍵の手配が必要なので、一度お店に来てください。』
とか
『大家さんのご意向で現地待ち合わせはやめてほしいと言われている』
などと言われた場合は疑ったほうがいいかもしれませんね。
他の不動産会社にも問い合わせてみる
例えば、おとり物件である「Aマンション」を掲載している悪徳業者「A不動産」に問い合わせて、
と返事があったとすれば、
他の健全そうな不動産会社に問い合わせをして、
Aマンションの名称、マンション名がわからない場合はAマンションの情報を伝えて、
実際に空いているか聞いてみましょう。
おとり物件の場合は他の不動産会社で紹介できるはずもありませんので、そこでおとり物件かどうかがわかる可能性が高いです。
物件情報で『居住中』や『入居中』になっていたらおとり物件?
ポータルサイトで物件の詳細ページを見ていると、備考の欄などに、『居住中』や『入居中』などと書かれていることがあります。
これらの物件は、近々退去する予定が出ている物件を先行募集しているだけですので、
『居住中』『入居中』と書かれているからといって、
おとり広告ではありません。
まとめ
今回は『おとり物件』『おとり広告』について記事にしましたが、いかがだったでしょうか。
以下、今回のポイントまとめです。
POINT!
- おとり物件とは、募集していない架空の物件を広告すること
- おとり物件の掲載は違法
- 被害にあったら消費者庁か不動産公正取引協議会に相談する
- おとり物件の家賃は相場より極端に安い
- おとり物件は現地待ち合わせができない
- あやしいと思ったら別の不動産会社にも問い合わせてみるとよい
- 物件サイトで『居住中』と『入居中』となっていてもおとり広告ではない
おとり物件は賃貸物件探しの際の厄介な問題であり、正しい知識と対策が求められます。
この記事が、安心して賃貸物件探しを進める一助となれば幸いです。
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